多くの渓流ベイトフィネスは、一様にシングルハンドルを採用しています。これは枝葉を避けながらの川の遡行や身体全てを使って移動しながらの釣りになる渓流においての利点となっています。
一方のクプアスー48は、全く違う方向からのアプローチとなっており、似たアクションのロッドの中では少し変わった印象を受けるでしょう。
大きな違いは、Wハンドルになるリアグリップ。これには二つの利点があります。
一つは反動。竿によるトウィッチの際に、時計の振り子のように反動がついて、次のトウィッチへの入力荷重が自動的に加算されるため、連続したアクションが簡単に。可動範囲内の加速度向上とともに、高速トウィッチにおける手首の負担が解消され、次のキャストへと繋がります。
もう一つの利点はファイト時のパワーをバット部で受け止めるための肘当てになることです。
手首だけでファイトできる相手は皆無といえる環境で育ったロッドなので、必然的にWハンドルになっています。もちろんアマゾン等の環境において、シングルでも釣りは可能ですが、渓流に比べて対象魚の大きさやパワーが全く選べないエリアで小さいルアーを操作することになると、アクションとファイトに加えて気温で、身体への負担は大きくなり過ぎてしまいます。
竿そのものを短くして振り幅による体力ロスを抑えるトウィッチ、長いハンドルによる連続トウィッチの自動化、ファイトの安定、というボンバダシリーズにおける三つの中心軸からKupuasu48は誕生しました。
大きなルアーを投げるダイナミックなアマゾン河の釣りを想像して旅に出ると、意外なまでにそのような世界は狭い範囲、時期に絞られることに気づくはずです。
貴重な休みを割いた全日程のほとんどが移動、もしくは移動のための調整で、水辺に滞在しながらも釣りには出られません。また、いざ釣行となっても大型の魚の出るパターンが掴めるのはほんのわずか。ほとんどが魚種層のサーチに費やすことになります。
ところが、パワフルな竿とルアーしかないアングラーには、この魚種層のヒントを掴むためのサーチが不可能に近いと言えるでしょう。使用ルアーが小さかったり、ピンスポットであったり、と太いラインだけでは魚の顔を拝むことすらできなくなります。クプアスー48は、渓流ルアーで使用する数gほどの小さなルアーを、まるで生き物のように操ることが可能です。
小さなルアーには、小さな魚から大きな魚まで、選択が難しいほど掛かり、その中から得たヒントを鍵に、
その場所に潜む大きな魚へと挑む糸口を掴んでいく釣りへ移行することが簡単になるのです。
また、小型ルアーには場所の変化への対応力も大きいため、クプアスーの操作に慣れると、釣り旅のほとんどの釣り時間をこの竿で無駄なくクリアできるようになります。その証として、ブラジルで販売されている人気の竿のほとんどは、(1pcsで旅に向かないものの)細くて短い竿がスタンダードです。
『アマゾンフィッシングはほとんどクプアスー48で過ごすことになる』というボンバダアグア・TERU氏の言葉の示すとおり、多くの現地の人に支持されたレングス、パワーを体現しているロッドとなっています。
SPEC
Length:4.8ft(3ピース)
Closed length:565mm
Cast weight:3-10g
Line:PE1
Rod weight:95g
Action:Regular